選挙戦に出馬した村越ひろたみ候補を取材しました!
市川市長選挙に出馬した村越ひろたみ候補を突撃取材しました!非常に長くなったので、最初に纏めを書いておきます(目次のリンクも活用下さい!)
3行で分かる、村越候補のやりたい事
①現在の市政の問題は、政策の決定過程が不透明な事 >オープンにする
②行政だけで全ての課題解決は無理 >市民や企業と協働する環境を作る
③その環境の下で諸問題を解決する >待機児童、暮らしや健康、防災、起業支援、IT活用等
これらを通じて変化と成長を生み出し、夢ある未来を作りたい。
取材の背景
私事ですが、常日頃から「候補者に対する情報がネットにない!」という課題意識を持っています。候補者本人のブログやサイトでは一方的な事しか書いてません。内容が雑多で分かりにくい事もあります。テレビや新聞は見逃したら終わり。そもそも自分も含めた現役世代は、ネットに情報がないのは非常に困ります。
特に今回、私の地元の市川市ですが、ホントにネットに情報がない。あっても前回のだったり、すごく短かったりで、深い部分が分かりません。それで、各候補に会って話をしたいと思ったわけです。
取材本編
取材に伺ったのは、選挙期間も3日目となった、4/17日の火曜日の夜。20時までの街頭演説を終えて帰ってくる候補を事務所で迎えました。
少し休憩の後、そう広くもない選挙事務所のテーブルに、横に並ぶ形で座りました。
最初の質問はこれ(ネットに取材記事がないから会いに来たようなものなので)。
今回の出馬に合わせて、メディアの取材はありましたか?
ネットについては…前回の選挙の時に学生さんがアプリを作るというのでいらっしゃった事はありましたが、それ以降は無いかもしれません。
今回の政策のポイントは?
市政の意思決定をオープンに
ですから市政の意思決定をオープンにします。
そのために、タウンミーティングを積極的に開いていきます。
課題単位でタウンミーティングを実施します
多彩な人が集まりオープンイノベーションが生まれる場に
特定の団体や支持者ではなく、あくまで課題をテーマに人が集まり、市長と直接触れ合う場を作る。そこで色々なタイプの人が交わることで、オープンイノベーションを進めていくのが狙いです。
注釈:オープンイノベーションとは?
オープンイノベーションは、組織や地域に閉じず、外部にある新しい技術やアイデア、異なるタイプの人材や価値観が交わることで、新しい創発や協業が生まれる事を言います。要は、自前主義や純血主義の反対です。
市政における課題とは?
こと市川市は待機児童の多さが有名ですが、より大きな視点で、一番の課題は何でしょう?
政治や行政が「何もしていない」ことが問題
いま、4月から新年度の予算が執行されていますが、それを見ると明らかです。何もしていないんです。
市長がいないのでそれ以上の事は出来ませんと。それはそうです。当たり前です。
ところが蓋を明けたら、僅かマイナス0.6%という予算額で案が提出され、そのまま議会で可決されてるんです!
注釈:骨格予算とは?
地方自治体の予算編成期や新年度早々に首長などの選挙がある場合、政策的判断が必要な事業を除いた人件費など義務的経費を中心に1年度分の予算を組むのが骨格予算。選挙後、新しい首長らの意向を反映し政策的経費を補正予算で肉付けする。暫定予算は年度開始後の1~3カ月程度に限定した必要最低限の経費を計上し、選挙などが終わった後に正式の年度予算を編成する。
骨格予算なのに、前年と同じ予算案なのはおかしいでしょう!
しかしその分、お金は余るはずです。余っていれば、後からでも当てることは可能です。しかし現実にはたったマイナス0.6%にしただけで、後は全部使い切っちゃってる。
注釈:市川市の予算案
確かに市の資料を見ると、
市⻑が不在という特別な状況となる中で適切な予算配分に努めた結果(中略)⼀般会計では 1,440 億円と前年度⽐▲8 億円、▲0.6%の減
とあります。
市川市は、実はお金がたくさんあるんです
市川市は、実はお金がたくさんあるんです。
財務省など国の方も、財政の観点から蓄財を求めていたから、両者の合致もあったのでしょう。
何もして来なかった市政を変えたい
お金が余ったら税金を減らすか、減らさないなら、サービスを向上させねばなりません。
それが私の使命だと思っています。本当に何もして来なかったんです。それは待機児童の話も同じです。
そうです、ここはみんなが聞きたい話ですね?具体的に掘り下げましょう。
待機児童の問題、どうされますか?
かつて市川市同様の待機児童問題を抱えていた北の松戸市や東の船橋市は改善が進み、松戸市は某調査で子育てしたい自治体全国1位!。南の浦安市も県内有数の人気自治体。
東西南北をそんな各市に囲まれて、ひとり市川市だけが立ち遅れ。逆に保育園建設の反対運動で全国ニュースになるなど…。
待機児童はゼロにする。公約にハッキリ書いています
区長がこの前応援に来ましたが、首長が決断すれば物事は変わるんだという事を彼から教わりました。
私はそこで、やはり子育てというのは日本の根本的な課題だと思っています。待機児童だけではなく、教育の機会の問題や、格差の問題、仕事に復帰したい女性の支援など、全部しないといけない。
やる事はたくさんあるけど、その中の優先順位として、まずは待機児童をゼロにする。ゼロにしないといけないと思っています。
保育園は山の中に作ってもしょうがないんです
本八幡の南口に情報プラザという市の施設がありますが、正直みなさんが使う機会は殆ど無いと思います。ならばそこを使えばいい。パティオなどの民間施設もあるでしょう。
市役所は職員や市長のモノではないんですから!市民のみなさんに喜んで貰える建物に変えたらいい。
そうやって色んな手を使っていく。だって保育園は山の中に作ってもしょうがないんですよ!?
数だけの問題ではないんです。人が集まる駅や施設に近い所、生活や働く導線上に施設を作る事が重要です。
なんでかって言うと、保育士が足りないから。それには給料が安いって理由もあります。
ちょっと一息。
ここでIT系に関する僕からの質問
これは行政がデータを公開することで官民連携を促す国策ですが、こうした取り組みについては如何でしょうか。
官民データ活用推進基本法とは
今はLINEを使って市とのやり取りもできる時代です
行政文書の改ざんだって、国だけの問題ではなく自治体でもある事です。そこはITで解決するという発想が大事でしょう。
注釈:ウーバーイーツ(Uber EATS)
Uber EATSの配達員が飲食店から食べ物を配達してくれるサービス。配達員は特定の飲食店には所属せず、お店への注文、配達員のマッチング、支払いまで、スマホのアプリでリアルタイムに完結します。
それよりLINEなら高齢の方も含めて多くの人が使っています。そこで市とのやり取りもできますから、そういう事も含めて検討していきたいと思っています。
行政だけで全ての課題を解決する時代ではない
その辺、市川市はちょっと足りてない…
オープンイノベーションの時代ですから、よそから新しい血を入れて、それを活かして運用するということをしないといけない。そこが、政治が一番遅れているんです。だから僕は民主党はダメになったと思っているんです!
だから僕は民主党はダメになったんだと
よその人材を入れたり、今、眠っている力を活用することは、政治の場でこそ大事なんです!
例えば私が感心している会社で、高齢者向けに介護保健の仕組みを使って、体に優しい弁当を宅配している所があります。
そこでITも活用して、無駄な経費や手間、間違いなどを出さないようにする。
「ちょっと話がそれますけども、ITに関して言うと…」
ITに強い若い人たちに、市のいろんなデータを提供したい!
注釈:フォグコンピューティング
色んな機器をネットに繋げて情報をやり取りするIoTの進化系。情報を中央で纏めて処理せずに、現場の近くで分散処理させ、より機動的に色んな事が出来るようになる仕組みのこと。
その人たちはデータを活かして、市民が喜んで貰える商売をする。その後で設けたお金で納税をしてもらう。これって面白い仕組みだと思うんですよ。
>それをみんなが利活用する。
>それで経済が回れば税収という形で市にもリターンが返ってくる。
というモデルの説明です。
どうやって街を成長させるか?収入を確保するか?
確かにあれして下さい、これして下さいって言われたら、ああ、やりますやりますって。いう話しか出来ないですよね。
実はこのビラのあんこは、この辺りにあって、
若い人が起業しやすい環境を作りたい!
注釈:外部からも先進的なものを誘致
候補は、出陣式の最初の街頭演説で、環境に配慮する商品で知られている「パタゴニア」社を訪問し、社長に市川市への誘致を直訴したという話をしています。先端企業や研究施設を誘致したいという気持ちは本当のようです。
ITを活用して既存の資産をお金に変える
こうした事例は参考になるし、通信のインフラについても、wifiの充実などを公約に入れています。
注釈:LinkNYC
ニューヨークの件は「LinkNYC」と呼ばれるプロジェクトのことかなと思います。下記、調査報告文献です。
ニューヨークの公衆Wi‐Fi事業について (一財)自治体国際化協会 (PDF)
同様の事例は欧州でもあり、ITを活用して都市の生活基盤を改善する「スマートシティ」とも近いものです。
スマートシティとは
まとめ的な締め
3(夢と未来を守る)というのが、根本的に重要です。
子育てや教育を支援する。
起業や公に資する活動をしている会社を支援する。
外から色んな人、先端的な企業や研究施設に来てもらう。
これらはみんな「夢と未来を守る」に繋がります。
市政のオープン化やタウンミーティングを通じて、多くの市民や企業が行政と交わり、課題解決を進める大きな変化を作っていく。
それによって、市川市の魅力が増していくと考えています。
取材後メモ
以上、ロングインタビューとなりましたが、最後に所感と、但書を。
所感
- 前半で「市政のオープン化」、後半で「若者やソト者 × ITやデータ × 起業や産業振興」というキーワードが出ました。
チラシや選挙公報では、個々の政策が表に出ているため、裏側を支えるこれらのキーワードは書かれていませんが、重要なキーワードであると感じました。 - 個々の政策では他の候補も大差はないと思われます。待機児童は「解決に取り組む」、タウンミーティングも全員が「やる」と書いています。問題は中身や目的です。
そこを他の候補に聞けなかったことは残念ですが、村越候補は、政策過程を公開するだけでなく、市民に対しても課題解決の一翼を期待していると受け取りました。 - そういう意味では、選挙のキャッチコピー=「勝つのは市民だ」ですが、こちらで言い換えをするなら「市民も一緒に」でしょうか。
- IT活用や先端事例についても、よくご存知で。ここまで話がスイングするとは失礼ながら想定していませんでした。本音を言えば、ここもチラシやHPでもっと押し出して欲しい所…ですが、一般の有権者にはウケが弱いか。このサイトに来るようなネットな人なら理解して貰えるでしょうか。
但書
- 書き起こしに際して、細かい単語や言い回し、発言の順序などは、原意を曲げない範囲で調整していますが、不快を感じる箇所がありましたら、その文責は原稿を書いたこちら側にあります。村越候補への批判はお控え下さい。
- 今回、忙しい時期になってから各候補に取材をお願いし、他の陣営の方にも丁寧な対応を頂いています、結果として村越候補のみの実現となったのはこちらの不徳の致すところです。また当初から村越候補のみを取材する意図ではなかった事も明記させて頂きます。
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